実際の事件では

現実にあった連続少年誘拐殺人事件

チェンジリングと言われると真っ先に想像付くのは妖精によって取り違えられた人間と妖精の物語、といった内容を個人的には思い浮かべる。その先に何が待っているかは定かではないが、ハッピーエンドということはないため、内容も賛否両論だろう。映画の中でも警察によって連れてこられた子供が息子だと強固に言い張る警察に抗い続けたクリスティン、後に発覚したゴードンという本当の犯人が明らかになり、クリスティンは警察と断固戦い続けるとしてグスタヴら被害者や協力者などの助力を経て、警察の腐敗全てを洗い出させた。結果、当時ロス市警本部長と彼女の案件に関わって功績を優先したジョーンズという刑事は免職・罷免という結果にまで追い込むことに成功する。

そうまでしてもなんとか助け出したかった息子だが、クリスティンが生きている間にその生死が明らかになることはなかったという。それでも生きていると願い続けていたらしいが、それもこれも事件が明らかにならなければ判明しなかったと思うと複雑だ。

80年以上前の事件ではあるが、未だアメリカにおいて影響力を与えている歴史にその名を揺るがすこの事件は一体どのようなものだったのかを見ていこう。

実話の映画

事件概要

クリスティンがいなくなった息子の安否を探してもらおうと警察に再捜査を依頼し、さらにグスタヴと協力して警察内部の腐敗を正そうとしていたために精神病院への強制入院をさせられていた頃、彼女があずかり知らぬところである事件が起こった。それは溝の中から首なしの身元不明のメキシコ人少年の遺体が発見されたという。また警察が捜査していくと、近所の養鶏場を営むゴードンという男性が、近隣周辺に住む2人の兄弟と共に一緒にいて行方不明になっていた事も明らかになる。

この事件が発覚してからロス市警が動き出し、農場を調べてみるとそこで首なし遺体だったメキシコ人少年の頭部が発見された。さらにその農場でゴードンに引き取られた甥のサンフォード・クラークと名乗った少年が警察の追求により、事実を話し始める。それはクリスティン始め、子供がいなくなって胸中穏やかではなかった母親達が最も知りたくない、性的暴行の果てに殺害していたという真実が明らかになった。

証拠隠滅を図り生石灰を用いて肉を溶かし、さらに骨を周辺の砂漠へと遺棄することによって犯行がバレないようにするなどしていたという。さらにゴードンだけでなく、彼の母親であるサラも共謀していたことも露見した。

動機として

ゴードンが少年性嗜好愛の持ち主であり、その欲望のはけ口を誘拐してきた子どもたちにぶつけていた。その傍らで、小遣い稼ぎとばかりに自身と同じ趣味を持った人間に、売春までさせていたという。使い捨てのおもちゃのように扱われる少年たち、その後飽きて必要ないと判断すれば撲殺をして、上述に紹介したように肉を溶かして骨を隠す、これをずっと繰り返していた。クラークは自身のみを守りたいがために、犯行に協力しなければならなかったが、罪の意識に囚われ続けていたという。

警察の動きを察知したゴードンはカナダへと逃亡したが、その後カナダのブリティッシュコロンビア州にてその身柄が確保され、アメリカへと身柄を送致された。これにより全ての事件を引き起こした犯人は逮捕され、クリスティンを始めとした警察に楯突いたとされていた人たちの叛逆を引き起こすこととなります。

その後として

ゴードンと母親のサラは裁判で、それぞれ死刑と終身刑が言い渡されました。当時女性で死刑になることはなかったので、性別による差でゴードンのみが死刑となる。犯行に加担せざるを得なかったクラークについては、ゴードンにとって不利な証言をする事を条件としてそれまで行ってきた罪を免除してもらう司法取引により、刑事事件において起訴されることはありませんでした。

ただ死刑囚となったゴードンは裁判の折には弁護士を雇うこともせず、矛盾した供述を連発していたがために、最終的に事件の全容把握には至らず、その発言の中で自身は精神異常者ではないと明言したがために責任能力はあるとして死刑判決が言い渡されたという。

判決時こそ事実を理解していなかったが、後に自分が死ぬという事を思い知る事になるゴードンは最期の最期まで死刑に怯えて生きていたという。

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ウォルターの所在

チェンジリングの主役として描かれているクリスティンの息子ウォルター、彼の結末は母であるサラが撲殺したと明言したことで死んでいると思われる。発見された人骨があまりに膨大な数だったため、こちらも最後まで結果は見えなかったものの、クリスティンにすればまだ息子は生きているかもしれないと、僅かな希望にすがっていた。証拠が見つかるまで死んだなんて認めさせない、クリスティンは最後までそう心に誓っていたという。

やっぱりフィクションが好き